状況劇場(紅テント)  演出:唐十郎

 アングラ演劇の創業者であり、旗手であり、多くの同調者を生み出し、70歳近い今なお、劇団を率いて活動する、存在として圧倒的です。紅テントによる公演はサーカスを思わせるものがあり、後に状況劇場の影響を受けて黒テントや黄テントを生み出すことにもなります。紡ぎ出す言葉は夢幻的で、当時の他の演出家にも、お前のは全然、分からないと後から言われたりしています。
 覆っていた左翼の風潮とは無縁でありながら、過去にいざなう満州、上海などの夢想、情念は独特です。 水の幻想が唐の世界であり、したたり落ちてくる、あるいは水辺、雨、池などが頻繁に登場し、生と死を結び付けています。 脚本家としての力は、演出力とほぼ同等あり、脚本は爆発的な販売力を持っていました。
 初期の俳優達も素晴らしいとしか言いようもない。唐十郎本人、李礼仙、麿赤児、大久保鷹、四谷シモン、根津甚八、小林薫、そうそうたるメンバーでした。 このメンバーは寺山修司率いる天井桟敷を凌駕するものでした。

 さて、私が状況を見始めるのは69年以降です。従って初期の「少女仮面」「腰巻お仙」などは見ておりませんが、「愛の乞食」以降、「新ニ都物語」あたりまではほとんど見ています。 チラシがないじゃないかと言われるかもしれませんが、初期の頃、状況はチラシを作らずポスターが主流でした。 多分、金がなかったのでしょう。天井桟敷と渋谷で大喧嘩した頃が、第1期の最高潮の時期であったかと思います。 時代状況もあってテントの中は熱狂的な雰囲気で、看板役者が舞台に出てくると、歌舞伎のようにアチコチから声がかかり、異様なまでに盛り上がっていきました。
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 この第1期から、麿赤児、四谷シモンが抜け、少し人気が落ち、場所も新宿花園神社から移動、最初の公演が不忍池であったように思います。 池から登場する演出は評論家達から高い評価だったと思います。 そして根津甚八が主役を務めることが多くなり、しばらくしてから大久保鷹が抜け、また、何年かして、当時、根津甚八の人気が凄まじいものになっていて、TVや映画に出演することも増え、かつてのアングラ演劇と客層が変わってしまいます。あまりにキャアキャア騒ぐ中、根津も抜けて、状況劇場は寂しいものになります。それでも小林薫が頑張っている内は、まだ、何とか状況らしかったですが、小林が抜けると、旧来からのファン、私もその一人ですが、見に行くことが無くなってしまいます。もうその頃は唐十郎は、押しも押されぬ大演出家であり、有名俳優の客演も増えていました。


 さて画像ですが、最初のものは唐十郎と紅テントその一党から初期のメンバーがテントの前で写したものです。この時代は無名で、私は知りません。これでなかなか赤テントの写真がありませんで、唐十郎血風録の表紙をもってきました。後に続くのはチラシです。ちょっと順番が狂っているかもしれません。


唐十郎と紅テントその一党−劇団状況劇場1964〜1975−                 移動のトラック
花園神社での紅テントと並ぶ観客わたしの東京地図


腰巻お仙の百個の恥丘
少女仮面/少女都市
少女仮面
横尾忠則デザインのポスター                    

金子国義のポスター                      写真は森山大道 花園神社
右は麿赤児、左は李礼仙
ちょっと順番が分からなくなっています。

 これはピットインで行われたジョンシルバーですから1967年くらいではないかと思います。無名時代ですし、あの狭いピットインですから、観客も数十人だったでしょう。写真は映画評論からです。
ジョンシルバー(映画評論)


写真は渡辺眸
二都物語(映画評論)

バングラデッシュ公演

アサヒグラフ97.4.20


糸姫


蛇姫様
この下の写真は私が写したものです。

左は十貫寺梅軒                          左から二人目は小林薫?

 珍しい写真がありました。赤テントの内部写真で、観客もスタッフも写っていません。
高梨豊:「都市のテキスト 新宿」より 花園神社・状況劇場赤テント (1982)

風の又三郎

腰巻おぼろ妖鯨編(現代演劇60's〜90’s)


腰巻おぼろ



                         ベンガルの虎 上、中央、川崎容子 下、左、不破万作(「新劇」1973.7)

                                      海の牙



左は三上寛。いずれも写真はメリーポピンズ



                            
鉄仮面


ユニコン物語

 それにしても全盛期の映像がないのは残念です。あの頃、観客が写真を撮るのも嫌がっていました。2011年に西村多美子さんという方が「実存 1968-69状況劇場」という写真集が出版されました。

 明治大学特別功労賞受賞記念のページがあり、リンクを貼っておきます。その中に唐十郎の略歴がありましたので画像を貼っておきます。